HOME技術情報・研究 >海岸の飛砂防止緑化
海岸の飛砂防止緑化

1.飛砂抑制の方法・考え方

 砂丘地で発生する飛砂を抑制する方法はいくつか考えられます。そのうち、構造物類を整備して飛砂を抑制する方法が一般的でしょう。この場合、構造物の整備直後は堆砂機能が確保されているため抑制効果は大きいが、時間の経過に伴って堆砂量が増え、満砂状態に至っては抑制機能がほぼゼロになってしまいます。
 これに対して、植物を用いた場合、造成初期の抑制機能は大きくないものの、経年的な生長や損傷部分の再生産、埋没からの再生などにみられるように、植物特有の「増殖・再生」によって、抑制機能が再生され維持されることが期待できます。
 このため、植物が持っている特性を有効に利用し、飛砂の抑制を図ることが望ましいと思われます。



2.海岸砂丘地は

 自然状態の中で、植物が安定して生育を続けるためには、概ね次のような諸条件が満たされる必要があります。@地面が動かないこと A水分が過不足なくあること B最低限の養分があること C日照が確保できること D生育を阻害する要因が少ないこと
 このような点から海岸砂丘地を見た場合、以下のように非常に劣悪な環境条件下にあることがわかります。
 @地面が動く A水分が少ない B貧栄養状態 C飛砂に埋まると日照不足 D塩分過剰
とりわけ汀線付近は砂の移動が激しく、かつ塩分の飛来が多い場所であるため、陸上植物にとっては最も過酷な生育環境条件と言えるでしょう。


3.植生による飛砂の抑制

 海岸砂丘地において植生を造成し、それを維持するためには、次のような条件を満たす必要があります。
 @直接的に波の影響を受けない位置に整備 A砂の埋没に対し再生力の大きい種を選択 B造成初期は飛砂を止めるか飛砂量を軽減 C飛砂の発生量(移動量)に見合った整備規模
 これらの条件が満たされれば、植生を用いた飛砂の抑制が期待できることになります。



4.個別立地条件での検討

 海岸砂丘地における飛砂の発生状況は、同一の海岸でも微地形条件の違いや天候の条件などによって大きく変化します。そのため、場所ごとの詳細条件(立地特性)を踏まえた現況の評価、過去のデータ、想定される環境圧などを基に、当該地に適する緑化計画(樹種・配置・規模・配植・補助施設など)の検討を行う必要があります。


【実 績】

 ・沿岸部の緑化に関する調査作業:建設省北陸技術事務所 S62年度
 ・直轄海岸砂丘地植栽調査検討業務:建設省北陸技術事務所 H8〜10年度
 ・海浜砂固定対策検討業務:建設省信濃川下流工事事務所 H11年度
 ・新潟海岸砂浜安定工事(植栽)設計:国土交通省信濃川下流河川事務所 H16年度
 ・新潟港東港区南浜小型船だまり飛砂防止対策工法調査業務:新潟港湾事務所 H15年度


【緑化技術関係のお問い合わせ先】

 株式会社グリーンシグマ
 〒950-2042 新潟市西区坂井700-1
 TEL 025-211-0010(代表)
 TEL 025-211-0015(環境調査室)
 FAX 025-269-1134
 メールアドレス [email protected]
 担当:目黒 修治



 株式会社 グリーンシグマ | (C) Green sigma Co.,Ltd. All rights reserved.