底生動物
底生動物調査

 底生動物(Bentos)とは本来は生態的な分け方であり、湖底などの水底や泥中で生活する水生生物を指します。調査における底生動物とは、一般にはプランクトンを除いた無脊椎の水生生物全般を指す場合が多いようです。
主にカゲロウやトビケラなどの水生昆虫類、エビ・カニなどの甲殻類、モノアラガイやカワニナといった貝類などが挙げられます。
 底生生物は河川・湖沼をはじめとして湧水や排水路まで幅広く生息していますが、泥の堆積、河床構造、水流の強弱、などといった環境的な制約を受けやすいのが特徴です。


調査方法

1.定量調査法

 採集する面積を定め、その面積中の底生動物の個体数を計測することによって生息密度や生物体量を明らかにする方法です。
河川では瀬の川底にコドラートを設置し、サーバーネットを用いてコドラート内の礫の下や礫の表面に付着する生物をすべて採集します。また、湖沼や河川下流部などの底質が砂や泥である場所では、採泥器を用いて採集します。
 採集後は個体数を計測し、単位面積(/u)あたりの個体数に換算して生息密度とします。また、湿重量を測定して単位面積あたりの生物体量を求めます。

サーバーネットによる定量採集 採泥器による定量採集

2.定性調査法


 採集する面積は定めず、様々な環境で底生動物を採集することによって種構成を明らかにする方法です。
タモ網やサーバーネットなどを用いて瀬や淵の礫底、河岸の植物帯、支川の合流部などといった生物の生息環境に留意して採集します。
タモ網による採集 採集された底生動物

上記の方法によって採集された底生動物はホルマリンやアルコールによる固定処理をしたのち持ち帰り、室内分析によって個体数の計測や顕微鏡を用いた詳細な同定・標本作製などを行います。



                                                  株式会社グリーンシグマ