陸上昆虫類

陸上昆虫類調査

 陸上昆虫の種類は極めて多く、多様な生態を持つことが特徴です。これに伴い多くの採集法が開発されています。調査時は採集する昆虫類の生態に合わせて行います。

調査方法

1.任意採集法

 見つけた昆虫類を素手や捕虫網などを用いて直接採集する方法です。ゴミムシ類などは石を起こして直接採集し、トンボ類などは柄の長い捕虫網を用いて待ち伏せや追跡によって採集します。
また、枯れ木の木皮を剥いだり、樹木の根を掘り起こしたりする場合もあります。
時間をかけて丁寧に探索することで成果が上がります。

待ち伏せによって採集された
クロスジギンヤンマ

2.スウィーピング法


 低木林や草原において、草の先端や花をなぎ払うように捕虫網を振り回して採集する方法です。主に小型のコウチュウ類・ガ類・ハエ類など採集する場合に行います。
スウィーピング法による採集


3.ビーティング法

 木の枝や葉などを棒で叩き、落ちた昆虫類をネットで受け取って採集する方法です。主にネットには白地の布を用います。ハムシ類やカミキリムシ類などは特有の植物に依存する場合が多いため、
叩く植物によって採集される種には大きな違いが見られます。

ビーティングネット ビーティング法による採集


4.ライトトラップ法


 昆虫類の走光性を利用した灯火を用いた採集法です。ライトトラップ法には白布地に光源を当てて集める”カーテン法”と光源の下に漏斗と箱を設置して落ちた昆虫類を採集する”ボックス法”の2通り
があり、現場の状況に合わせて使い分けます。
カーテン法による採集 ボックス法による採集


5.ベイトトラップ法

 餌を入れたコップを地中に埋めて採集する方法です。オサムシ類・ゴミムシ類などの地上性の昆虫類を採集する場合に用います。餌はサナギ粉、腐ったバナナ、生肉など対象とする昆虫によって使い
分けます。また、酢酸、紹興酒などの液体を用いる場合もあります。
ベイトトラップの設置 採集された昆虫類

 上記の方法によって採集された昆虫類は記録やデータを採取したのちに適宜持ち帰り、室内分析によって詳細な同定や標本作製などを行います。



                                                  株式会社グリーンシグマ